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16世紀から繁盛が続く、最古のレストラン。

丸子宿

 自然薯をすりおろしたとろろを麦飯にかけて食べる料理は一般に「麦とろ」と呼ばれ、供する店は東京にもあるのだが、気軽にはいただけない高級会席料理店だったり、庶民的な値段でとなれば大和芋で代用されてしまうことがある。「自然薯のとろろを手軽な値段でお腹いっぱい食べてみたい」─ そんな望みをかなえてくれる店がいくつも競い合う町があると聞けば、何をさておいてでも出かけないわけにはいかない。
 その町というのが静岡市駿河区丸子(まりこ)、東海道の歴史とともに歩んできた宿場町だ。ちなみに駿府静岡市では、誰も「麦とろ」とは呼ばない。広重が描いた版画にもある通り「とろろ汁」という伝統的な名前があるからだ。

フォトツアー

慶長元年創業の丸子の丁子屋(ちょうじや)。
これが丸子宿の名物、とろろ汁。「うめ若菜 丸子の宿の とろろ汁」と芭蕉の俳句にあり、十返舎一九も『東海道中膝栗毛』で題材にした。
「丸子にはとろろ汁を出す店が多く、競い合ってますよ」とのこと。今ふうに「グルメ」とは括りたくない、別次元のうまさにはまる。全店制覇してやろうかと本気で考えた。
丁子屋の14代当主、柴山さんに丸子の宿場町を案内してもらった。誰のためにも労を惜しまない頼れる若大将だ。
ここは吐月峰柴屋寺。周囲の自然を取り入れた「借景園」と呼ばれる庭は、戦国時代(駿府でいえば今川時代)からのもの。千利休より古い時代からの茶室も残る。
誓願寺。大坂の陣の際、交渉のために奔走した片桐且元の墓が残る。徳川家康公の天下統一という歴史の、ここもひとつの舞台となった。
誓願寺が管理する、大鈩(おおだたら)不動尊。独特の空気が流れていて、地元ではパワースポットとしても人気がある。
不動尊へ行く途中にあったたい焼きの店。60センチもある巨大なたい焼きに度肝を抜かれた。
「駿府匠宿(たくみしゅく)」という、伝統工芸の体験施設。
「駿河竹千筋細工(するがたけせんすじざいく)」を体験してみた。必要な材料も道具も全て揃っている。おみやげになる工芸品を選ぶのも楽しい。
丸子宿から、宇津ノ谷峠に向かう旧東海道を歩く。町並みから往時をしのぶ。
宇津ノ谷峠には、明治、大正、昭和、平成と、異なる時代に作られた4つのトンネルがある。ここはレンガ造りが美しい「明治のトンネル」。

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