16世紀から繁盛が続く、最古のレストラン。
丸子宿
自然薯をすりおろしたとろろを麦飯にかけて食べる料理は一般に「麦とろ」と呼ばれ、供する店は東京にもあるのだが、気軽にはいただけない高級会席料理店だったり、庶民的な値段でとなれば大和芋で代用されてしまうことがある。「自然薯のとろろを手軽な値段でお腹いっぱい食べてみたい」─ そんな望みをかなえてくれる店がいくつも競い合う町があると聞けば、何をさておいてでも出かけないわけにはいかない。
その町というのが静岡市駿河区丸子(まりこ)、東海道の歴史とともに歩んできた宿場町だ。ちなみに駿府静岡市では、誰も「麦とろ」とは呼ばない。広重が描いた版画にもある通り「とろろ汁」という伝統的な名前があるからだ。