まだある、家康公の魅力
ヨーロッパの時計が日本に
ヨーロッパ時計の日本伝来は、天文20年〔1551〕、日本にキリスト教を伝えたフランシスコ・ザビエルが、九州の大名大内義隆に献上したのがはじまりです。ところが現物が残っていないため、現存する日本最古の時計は久能山東照宮に保存されている徳川家康公の遺品です。この時計は1581年にマドリッドで作られたものです。
初めて見る南蛮時計に刺激された日本人は、慶長5年〔1600〕ころには天草のキリシタン・セミナリオ〔キリスト教の学校〕で、時計製作の授業を受けております。家康公は、伏見城にいたころに、ジョアン・ロドリゲスから時計を献上されたといわれています。この時計は仕掛け時計で、月の満ち欠けが記されたといわれています。
慶長12年には長崎のキリシタン・セミナリオで勉強した日本人〔名前不詳〕が、自作の時計の制作を江戸していたと伝えられています。時計の評判は国内で広まり、長崎・江戸・名古屋・大坂・京都に伝わっていきます。