家康公の史話と伝説とエピソードを訪ねて
編集を終わって
駿府の方言に特徴的な言葉使いがある。「ごせっぽい」または「ごせっぺー」という言葉だ。静岡とその周辺だけに通じる方言で、例えば、「今日は温といんて、ごせっぽいなあー」とか、「お前は、今日は女房がいないんて一人でごせっぺーずら」などと使う。
つまり「清々しくて気分が良い」、「清々した」という意味である。語源は伝承によると、家康公が駿府に大御所として来たとき、気候温暖で風光明媚な駿府のこの土地の居心地が大変気に入って、正に気持ちが良かったという。つまり家康公が、そんな気持ちを駿府城で「御所っぽい」とこのように言ったことが語源であり、それが何時しか「ごせっぽい」と言う方言になったというものである。最後に、本書の読者がこの本を読んで読後に「ごせっぽい」となることを念願して筆をおきたい。